株式会社三興ポンプ製作所

　

A：最も苦心したのは、効率良く水を飛ばす羽根の形です。吹き出す水をより遠くとばすためには、船のスクリューと同じように水を押し出す力が最も強くなる羽根の形状が重要なのです。また、空中に吹き上げた水を効率良く空気と接触させるために、水を細かい粒状にする方法にも苦心しました。

開発ポイントは、水滴が落下する距離を伸ばす・水滴の粒を細かくする・水滴の滞空時間を長くする・という3つでした。

A：水と空気が曝気噴水ポンプの遠心塔に吸引されたあと、水は高圧インペラで水滴になって吹き上げられアサガオの花のように水面に落ちます。水を直線的に吹き出すのででなく螺旋状に円を描きながら落とすのは、滞空時間を長くして水の溶存酸素量を増やすためなのです。 

A：飼育池の流速を研究した文献が見当たらないので断定はできませんが、「水流があると魚のためにいいようだ」 と話す養殖業者が多いですね。また、秒速30ミリ以上の水流があるとアオコの発生率が低いと聞きました。アオコが発生しても水に秒速30ミリの流速、空気との接触により減少すると聞いております。

我々が独自に実験を実地したのではなく、愛知県の金魚共同組合と地元の研究グループが、エアレーションの効果について中部電力に実験の依頼をされました。テストは、今から20年程前に行われました。

当時は養殖池の水質が悪化して、金魚を生産する業者には深刻な問題だったのです。水質を改善する方法はさまざまで、生産者は効果的な対策を探している状態でした。

エアレーションの目的で使われる水車・エアーストーン・打ち込みに加えて、曝気噴水ポンプの4機種で行い、流速、水質・プランクトンの発生状況・金魚の成長率などの4項目について調査を行いました。
試験池は1面200㎡で、手を加えない無設備の池を含めて5面の池を使いました。    比較実験は、溶存酸素量が最も低下する深夜から早朝にかけて、午後9時から翌朝6時までの9時間を選んで、延べ6ヶ月ほど連続で実施しました。

水温とペーハー値が最も高くなる午後1時を選び、起動前と稼働して90分後の水質を調べました。水温が最も低下したのは曝気噴水ポンプで、池水が撹拌されてほぼ均一な温を分布を示し、ペーハー値も池の深さに関係なくほぼ均等に低下しました。エアレーションはは不足する酸素を水中に供給して、魚の鼻上げを防止するのが主な目的です。90分後に溶存酸素量を比較すると、一番多いのは曝気噴水ポンプで、次にエアーストーン・打ち込み・水車の順でした。曝気噴水ポンプを使った池には水は、1ℓ中に3.5ccの溶存酸素量があり、水車は1ℓ中に0.51ccでした。低酸素の供給量は、曝気噴水ポンプが最も効果があります。

心配ありません。晴天の真夏、池水の溶存酸素量が過飽和状態になると魚が気泡病にかかる事があるそうですが、曝気噴水ポンプで過剰な酸素を放出させて、溶存酸素量を適度に保つことができます。

金魚の成長率を体重で比較すると、曝気噴水ポンプ・水車・打ち込み・エアーストーンの順番で、歩溜りは曝気噴水ポンプが99.5%の数値を示しました。